お酒は正しい知識があれば、より安全に、より深く楽しめます。このページでは、飲み始める前に知っておきたい基礎知識を、厚生労働省や国税庁の情報をもとにまとめました。
お酒を飲む前に知っておきたい基礎知識

お酒の強さは「アルコール度数(%)」で表されますが、飲んだ量がどれだけ体に影響するかは「純アルコール量(g)」で考えるのが正確です。純アルコール量は以下の計算式で求められます。
純アルコール量(g)= 飲んだ量(ml)× アルコール度数(%)÷ 100 × 0.8
たとえばアルコール度数5%のビールを500ml飲んだ場合、500×0.05×0.8=純アルコール20gになります。ウイスキーはアルコール度数が40〜43%のものが多く、シングル(30ml)1杯で約10gです。度数が高い分、少量でも純アルコール量が積み上がる点に注意が必要です。
適量の目安(厚生労働省の基準)
厚生労働省の「健康日本21」では、節度ある適度な飲酒の目安を1日あたり純アルコール約20gと定めています。具体的な量に換算すると以下の通りです。
● ビール(5%):中瓶1本(500ml)
● 日本酒(15%):1合(180ml)
● 焼酎(25%):0.6合(約110ml)
● ウイスキー(43%):ダブル1杯(60ml)
● ワイン(12%):グラス2杯(約240ml)
また、週に2日は休肝日を設けることも同指針で推奨されています。毎日飲み続けること自体がリスクになるため、休肝日は「飲みたくないから休む日」ではなく「意識的に設ける日」として考えることが大切です。
二日酔いを防ぐ飲み方

二日酔いの主な原因は、アルコールが体内で分解される際に生じる「アセトアルデヒド」という物質の蓄積です。肝臓がアルコールを処理する速度には個人差があり、体重60kgの人でおよそ1時間あたり純アルコール約7〜8gが目安とされています。これを超えるペースで飲むと、アセトアルデヒドが蓄積して頭痛・吐き気の原因になります。
二日酔いを防ぐために有効な方法をまとめます。
● 空腹時に飲まない(食事を先にとることでアルコールの吸収速度を下げる)
● 水を一緒に飲む(アルコール1杯につき同量の水が目安)
● ゆっくり飲む(1時間あたりビール1杯程度のペースにする)
● 強炭酸で割らない(炭酸はアルコール吸収を早める)
● 睡眠をしっかりとる(肝臓の働きは睡眠中に活発になる)
「迎え酒で楽になる」という話を聞くことがありますが、これは一時的に感覚を麻痺させるだけで、体内のアルコール分解を助けるものではありません。医学的に推奨される方法ではないため、避けてください。
飲んではいけない状況
以下の状況でのアルコール摂取は、健康被害や法律上のリスクが生じます。それぞれの理由と合わせて確認してください。
● 薬を服用中のとき
睡眠薬・抗不安薬・解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)は、アルコールとの併用で作用が増強したり、肝障害リスクが上がったりします。服用中は必ず医師・薬剤師に飲酒の可否を確認してください。
● 妊娠中・授乳中
アルコールは胎盤を通じて胎児に届き、胎児性アルコール症候群(FAS)の原因になります。「少量なら大丈夫」という根拠はなく、妊娠中・授乳中は飲酒量ゼロが原則です。
● 20歳未満(未成年)
未成年者飲酒禁止法により、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。成長期の脳・肝臓への影響が成人より大きく、依存症リスクも高いとされています。
● 車・バイク・自転車を運転する前
道路交通法により、血中アルコール濃度0.03%以上での運転は酒気帯び運転として罰則の対象です。「少し飲んだだけ」でも検知される濃度に達することがあります。
アルコール依存症のサインと相談先

アルコール依存症は「意志が弱い人がなる病気」ではなく、脳の報酬系に関わる医学的な疾患です。本人が気づきにくいため、以下のサインに当てはまる場合は早めに専門機関に相談することをおすすめします。
● 飲まないと手が震える・眠れない・イライラするなどの離脱症状がある
● 「今日は飲まない」と決めても守れないことが繰り返し起きる
● 飲んでいる間の記憶が飛ぶ(ブラックアウト)が月1回以上ある
● 朝から飲みたい衝動がある、または実際に飲んでいる
相談先としては、厚生労働省が設置する各都道府県の精神保健福祉センター(無料)、NPO法人ASK、断酒会があります。いずれも本人だけでなく家族からの相談も受け付けています。一人で抱え込まず、早期に専門家へ相談することが回復への最短ルートです。